福島の旅【後編】
福島の旅の大きなテーマは「農業」
2日目は、朝からカトウファームさんの実際の出荷作業・ネギ抜きなどを体験させていただく。
目次
出荷作業
農家の朝は早いということで、朝7時には宿を出発して、カトウファームへ。
そこから従業員さんと一緒に、昨日収穫して出荷準備をした野菜をスーパーに品出しをする作業から始まりました。
いつも野菜を買いに行く時とは違う、スーパーの裏口から入り、まだケースが空の状態の場所に、カトウファームの野菜を並べていく。
他にも農家さんが自身で育てた野菜を並べているのを見て、こうやって1つ1つの野菜がそれぞれの農家さんの手によって育てられ、ここで販売されている。
そういった実感が湧いたことが僕は嬉しかったし、何より感慨深かった。
そして、ここまでにまだまだ僕たちが知らない物語がきっとある。
雪の下のネギ
出荷作業が終わったら、今度は明日出荷するための野菜を取る。
現在福島は雪で畑が埋まっているので、野菜はどういう状態になっているのだろう??
そう不思議にも思っていたので、実際に収穫作業を体験できることが楽しみだった。
そして、ビックリしたのがネギはこの雪の下に埋まっているらしい!
雪の厚さは約30~50センチ
その雪をシャベルで掘って、埋まっているネギを手で引っ張るのだ。
雪の下にあるネギは、凍るような寒さの中で、冬の寒さを耐えるために葉や根に「糖分」を貯えます。
糖分の量が多くなればなるほど、凍らなくなるため、冬のネギはどんどん甘くなるそう。
そして、最初は楽しい!と雪を掘っていた学生たちも、30分もしたら疲労困憊になってきていた。
「毎日この作業を何時間もしている農家さんたちは本当にすごい!!」と学生たちは驚いていました。
こうやって取れたネギは、また明日販売される。
自分たちで取ってみて感じたのが、この作業をしてネギが3本で100円で販売されているってとても安く感じるということだった。
ネギを育て、収穫作業、配送作業など全部ひっくるめると、僕たち消費者が当たり前にいつもスーパーで野菜を買って食べれていることが、とてもありがたく、農家さんにとっても感謝の気持ちが湧いてくる。
東北大震災後の福島
夕方には桃農家の古山さんのお話を伺う機会をいただきました。
古山さんは、東北大震災の後にご自身の桃が風評被害で全く売れなくなってしまいました。
理由は放射能汚染があるのではと、福島の野菜や果物がたくさんの人が避けるようになり、販売しているときに「こんなの食べれるか!」とお客さんに桃を投げられたり、とても悲しかったり、悔しかった思いをしたそうです。
農家をやめていった人もいる中、古山さんは「世界で1番甘くて美味しい桃を作る」そう決めて、何年も研究を重ねて、遂に世界で1番糖度がある甘い桃を作り、その値段は1個100万円を超えるものまであるそうです。
古山さん、カトウファームさん、他にもたくさんの農家さんたちが「福島の農家」であることで大変なこと、福島を守るためにできることを東北大震災のあと必死で切磋琢磨してきたことは、きっと僕らの想像を超えるのだろうなとお話を聞いて感じました。
実際の農業体験をして、福島のお話を聞いて、「災害や農業」のこれからをどう僕たちは向き合い、希望を持って活動をしていけるのか、改めてみんなで話し合いました。
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